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静かな日曜日 [音楽]

朝早くから、PTAの資源回収に借り出されたタツオ君とマコさんが、汗だくになって帰って来た。体を動かして働いてきた勢いで、二人は庭の草取りをした。タツオ君はその後シャワーを浴びて、冷蔵庫でよく冷やされたリキュールを飲んでいた。



僕がぼんやりと庭を眺めていると、直径5cm程の透明な球体が、無数に浮遊しているのが見えた。球体はどれもゆっくりと上空へと浮上していったが、際限なく視界の隅の方から現れてきては上昇する。それを作っているのは小さなサトくんで、透明な球体の正体は、柄の取れた真鍮の柄杓に入った食器洗剤だった。サトくんはまるでこの地球上をシャボン玉で埋め尽くすのが義務であるかのように、絶え間なくストローを吹き続けていた。子どもの精一杯の肺活量で長いひと吹きをする度に、50個から100個もの球体が生まれるのだった。僕が眺めている間中、サトくんはシャボン玉を生み出し続け、その美しい光景は、虹が現れて消えるまでの間よりも、夕焼けが美しいと感じられる束の間の時間よりもほど長く続いたように感じられた。

サキちゃんは子供会の行事に出かけている。この町にある県営のキャンプ施設で、飯盒炊爨によるカレーライス作りを体験するために、同級生お母さんに連れられて行ったのだ。今が午前十時半だから、カレーライスが出来上がるまでには、あと一時間くらいはかかるのだろう。

黒いドロバチが空中で羽根をものすごいスピードで動かしながら静止していた。マコさんはきりもなく生えている草を抜くのを、そろそろあきらめようとしていた。タツオ君は眠くなってきたようだ。静かに、日曜日の朝が過ぎ去ろうとしていた。

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