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出張を終えて [宇宙のこと]

世間は連続休暇であったこの数日間、僕は長期出張で、実に過密なスケジュールで活動しなければならなかった。地球人たちが日常の生活から、非日常の生活へとシフトするときには、世界中のさまざまな次元における時空間に大きなエネルギーのうねりが生まれる。こういうとき、要所、要所で微妙な制御を行ったり、ちょっとしたイベントを仕掛けるのも僕らの仕事なのだ。

ロザリオの大型宇宙母艦は今日まで地球に停泊していた。詳しくここで明かすことは許されていないが、今地球人の多くが、非常に懸念している問題と深くかかわっている。地球人が問題視しているそれは、実は進化の鍵でもあるのだ。今というときは、地球次元の上昇を控えた微妙な時期だ。早すぎてもいけないし、遅すぎてもいけない。強すぎても、弱すぎてもならない。別の星人たちとの連携も必要だ。一日に地球を何周してもきりがないほど、仕事は次から次へとやってきた。今夜ロザリオを見送って、ひとまず通常のモードに戻れそうだ。やっとこのブログも更新することができる。

雨が降っている。この天候のタイミングも今回の仕事と大きな関係があった。絶妙のタイミングで降ってくれたと思っている。今回の僕たちの任務は成功だと思っていいだろう。とても疲れた。今は眠りたい。地球の重力の中では睡眠は不可欠だ。次にこのブログで皆さんにお会いするのは、その後で。まだタツオ君とさえ何も話していないのです。今夜は宇宙科学研究所に帰ったことを、ひとまず伝え、失礼します。おやすみなさい。

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「マスターキー」、ロザリオからのメッセージ [宇宙のこと]

夜も更けて、楽しかった日曜日が終わろうとしている。サキちゃんは入浴をすませ、パジャマを着て、ランドセルに明日の授業に使う教科書を詰め込んだ。サトくんはマコさんの膝の上に上ったり下りたりしながら、歌を歌い、思いきり甘えていた。タツオ君は何か分厚い本を読んでいた。誰も見ていないTVが、居間の隅で明るく画面をちらつかせていた。

この家族の始まりから終わりまでを、僕はすべて知っている。そしてこの平凡な一夜さえ、幾千の夜の中で、たった一つしか存在しない夜なのだということも。



一日一日はすべて、あなたにとって宝石よりも貴重な、無二の瞬間の集積だ。あなたは毎日を生きるだけで、宇宙に財宝を積み上げているのだ。それはだれの人生でも同じこと、ただ、あなたが、あなたの財宝に気づくか、気付かないかの違いだけなのだ。


ロザリオからの新着メッセージ

地球の皆さん、こんにちは。
心を静めてください。ともに手を取り合いましょう。目を閉じてください。あなた=宇宙なのです。何も心配することはないのです。すべては創造主の御心のままに存在しています。過去・現在・未来という時間軸の概念にとらわれすぎないようにしましょう。あなたが見ているのは、すべて起こってしまったこと、すなわち結果なのです。それらはすでに存在していた出来事です。なぜ存在しない未来を恐れ、もともと存在していた過去を後悔するのですか?そしてなぜ、唯一あなたが体験できる現在を生きないのでしょうか?すべては今ここにあるものの集積です。そして常に12の扉があなたの前に開かれています。そしてどの扉の向こうにも、また12の扉があります。あなたはただ好きな扉をくぐればよいのです。そして扉は現在(いま)に焦点を合わせないと顕れません。あなたが常に現在に焦点をあわせ、扉を通過し続ける時、ものすごい速さであなたの見る世界は変化してゆきます。それほどにこの、あなたにとって堅固に見える現実世界は、実は柔軟な構造を持っているのです。あなたは一つの宇宙、一つの星系に閉じ込められているように感じているでしょうが、実は全くそうではないのです。瞬間、瞬間ごとにあなたは別の宇宙へ移動しているのです。別の宇宙へやってきたのに、あなた自身がそれに気づかないがために、世界がいつまでも同じように見えるのです。どうかこのことを理解してください。このメッセージはどの12の扉をも開くことのできるマスターキーです。私は遠い星からメッセージを送っているでしょうか?それともあなたのすぐそばにいるのでしょうか?答えはその両方です。実は、私の友人(地球では黒猫の姿をして、ピーチと呼ばれていますね)はまだ言及していないようですが、時間とともに、距離もまた「実在しません」。
今日はとても重要な情報を送りました。次はいつになるか予告することはできません。
どうか、この情報の種子が、あなたのなかで実を結びますように。

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新型宇宙船 [宇宙のこと]

ここのところ僕はタツオ君にインプラントを埋め込むので忙しかった。
あれはもう一か月以上も前になるが、故郷のチームメイト、ロザリオが連絡してきた。

「君のタツオ君だが、そろそろあれを使わせてもいいだろう。」
僕は瞬時に「あれ」が何を意味しているかがわかった。
「マーカバか。」
「そうだ。彼ももう最近の苦しみから、多くを学んだころだ。」
「もうそれは、そばで見ていられないくらいだ。」
「マーカバの原型を送るが、その前に何度か下地作りのために立体をいくつか埋め込まなければならない。埋め込む時はかなり苦しむが、これをしないとマーカバを動かせない。」
「タツオ君は埋め込みに気づくだろうか?」
「最初は金縛りだと思うだろう。最後にマーカバを埋め込んだらタネあかしをすればいい。」
「わかった、立体キットが届き次第、始める。」
「地球はどうだ?」
「悪くないが、故郷の波動を忘れて、地球猫になってしまいそうだ。」
「はは。せいぜい車に轢かれないように。」

それから僕は数日おきに、夜タツオ君が寝込むと、「立体」とよばれるインプラントのキットをひとつずつ埋め込んだ。タツオ君はひどくうなされて、毎回「やめろっ!!」と大声で叫んで眼をあけた。僕は寝たふりをして、さもタツオ君の叫び声で驚いて目をさましたように言った。

「どうした?」
「幽霊だ。僕の胸をぎゅうぎゅう押すんだ。息ができないみたいですごく苦しい。こういうのを地球では金縛りって言うんだ。いったい何の霊なんだ?」
「疲れているな。会社を休めたらいいのにな。」
「うなされて何度も君の名を呼んだのに、なぜ起こしてくれない?」
「声になっていなかったぞ。それに、僕も地球に暮らす以上は睡眠が必要なんだ。」

そんな夜が断続的に、およそ一か月も続いた。
そして最後の立体、「マーカバ」が埋め込まれた。

マーカバとは大昔より、覚醒者が意識を乗せて宇宙の至る所を飛行するための、意思を持った乗り物だ。もともとは単なるシンプルな立体図形にすぎないが、大変な力をもった形体で、最新型の宇宙船でも、これが原型となっている。タツオくんには今回、マーカバの原型を埋め込む前に、いくつもの立体を埋め込んだが、それはマーカバを動かすのに必要な概念の不足を補う意味があったのだ。

そして2月20日の午前2時ごろ、タツオ君は自分の中にあるマーカバの原型に遭遇した。タツオ君はそれがマーカバだとは知らなかったが、マーカバのほうからタツオ君にアクセスし、タツオ君に最適な形に変形すると、タツオ君を乗せて寝室の中をふわふわと移動した。タツオ君はまだ慣れていないので、試運転程度で怖くなり、マーカバから降りてしまったが、今後の練習次第で、意識を保ったまま、さまざまな宇宙を旅することになるだろう。

タツオ君のマーカバの名は「144面体」だ。マーカバの基本機能に加えて、136の方向にある時空間に瞬時にアクセスし、情報を得ることができる。また瞬時に移動できる。目的地を見失いやすい初心者にはピッタリの、ナビ付き新型宇宙船の誕生というわけだ。しかしタツオ君の最初の操縦を見ていると、使いこなすのにはまだまだ時間がかかりそうだが…。

とりあえず、ご苦労さま。タツオ君。
このブログを読んで、勝手にインプラントを埋め込んだことを怒らないでくれたまえ。
僕らのプレゼントには、苦痛がともなうのだ。
しかし、「幽霊だ」はケッサクだったよ。

タツオ君の新たな出発を祝うように、庭一面を真っ白な雪がおおっていた。
タツオ君は久しぶりに、元気な顔で出かけて行った。



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宇宙科学研究所にて [宇宙のこと]

タツオ君の家の離れはアトリエで、別名「宇宙科学研究所」という。何もエイリアンである僕がやってきたからついた名ではない。タツオ君とサキちゃんが宇宙の百科事典やアダムスキーの本やら、うさんくさい宇宙人本などをならべ、アトリエで楽しめるようにしてあるので、二人はそこを「宇宙科学研究所」と呼んでいたのだ。タツオ君は絵を描いていることがほとんどだったが、サキちゃんがそのそばで星座の図鑑をめくっているというのは、日常の光景だった。

星と星座 (小学館の図鑑NEO (8))

星と星座 (小学館の図鑑NEO (8))

  • 作者: 渡部 潤一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 大型本



「でも、うちに宇宙から猫がくるとは思わなかったよね」とサキちゃん。
「宇宙の人間だけどね。」と僕。
「ピーチの星には猫の人ばかりいるの?サキも猫の星にいってみたいなー。」
「ではいつか行こう。これは約束する。」
「ほんと!?あのUFOサキも乗れるの?」
「100人でものれる大きさになれる。」
「えー、すごい。今行きたい。」
「まだだ。パスポートの申請ができないとね。」
「それいつ?」
「サキちゃんの調査資料が整うまでだ。」
「それいつ?」
「難しいことではないんだが、時間がかかる。サキちゃんの中で、僕たちに対する理解が深まってくると許可が下りる。それまでは普通に暮らしているしかないんだ。あわてても意味がないし、努力しても無駄だ。僕と一緒に暮らしているなかで自然に宇宙の法則が身についてくるから、そうしたら連れて行ってあげられるよ。逆に今連れて行っても、サキちゃんにとっても、僕らエイリアンにとってもメリットがあるとは言えない。何事も準備が必要だし、時間をかけて行われるべきものなんだ。」
「つまんないなー。」
「その『つまんない』がなくなる時、サキちゃんはもう僕らの星の土を踏んでいるかもしれない。その時は突然来るかもしれない。」
「ふーん。でもそれがいつなのか知りたいなー。」
「いつかなんて無意味さ。」
「サキがおばあさんになってから?」
「きっとそんなに先ではないと思うね。」
「あー、早くピーチの星に行きたいな。だめなら月でも金星でもいいな。」
「まあ、あまりあせらないで、学校の宿題を毎日やることだね。」
「いい子にしていれば行けるってこと?」
「それとも違うな。だいいち、サキちゃんや他の地球人が言ういい子ってやつは、本当はちっともいい子じゃない。」
「ピーチの世界はあべこべの世界なの?」
「あべこべではないな。」
「何だかわかんないな。ピーチの言うことは。」
「わからなくていいんだよ。今はね。さあおやつでも食べなさい。」


地球人の子供たちは可愛い。やわらかくて、野性的で、せわしない。

窓の外を見ると、春の夕暮れが近づいていた。暖かな西日に宇宙科学研究所の影がのびていた。

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